違和感のあるスタンド

今日の神戸×C大阪の試合をテレビで見た。


カズが点を取って神戸のサポーターが歓喜しているところが映し出されたところでおや?と思った。


得点に沸く神戸側スタンドに映えていたのは白と黒と深い赤の3色という統一感の無い彩で、何ともいえない違和感を覚えた。


神戸と言えば、去年から楽天がチームの経営に乗り出していて、白と黒のゼブラがチームカラーとして定着していたところに
それまで積み重ねた歴史を踏みにじるかのようにクリムゾンレッドという楽天カラーに塗り替えると宣言して
神戸サポーターと多くのJリーグファンの反感を買っていたと記憶している。
ゼブラを保護するために署名や抗議運動も決行されたはずだ。


そんな経緯を受けて、今年の神戸の応援風景がどう変わっているのかが気になってテレビをつけたらこんな情景だったという訳だ。


私はもっと白黒の色を頑なに守って無言の抗議を決め込んでいるもの、と思っていたんだけど、
想像以上に「楽天色」が入り込んでいたのを見てある種の寂しさを感じた。


あんなにクラブの象徴として崇めていたゼブラの色をあっさりと手放していいのだろうか?と。

色の比率から言うと、むしろ赤の割合の方が多かったように思う。
きっと去年あたりから見に来だした人たちが抵抗なく赤に身を包んでいて、
神戸の歴史を体に刻みつけてきた古参者が白黒の牙城を守っているという感じだろうか。


経営の苦しいクラブに救いの手を差し出してくれた企業には感謝したいけど、
過剰なまでに企業色に染めようとする態度に不快感を禁じえない。
神戸の置かれている微妙な立場をスタンドが表している気がする。


あのクリムゾンレッドという色彩自体は個人的には好きな色なんだけど、
その裏に見え隠れする「企業スポーツ」の体質を思うと、軽く吐き気をもようする。


楽天がサッカーにしろ、野球にしろ、スポーツの世界に進出したのは何の為か?
なぜ定着していたチームカラーをわざわざ変える必要があったのか?
私にはいまいち理解できない。


ヴィッセルと歴史を共にしてきたサポーターには意地を見せて欲しいと思う。やっぱり神戸は白と黒がよく似合うよ。