必然の勝利

もう次の試合が明日に控えているけど、29日の試合についてちょっと振り返ってみたいと思う。


福岡戦で仙台は2点差を逆転した訳だけど、こんな勝ち方を最後にしたのは98年の新潟戦*1と記憶している。


2−1とした直後のPK失敗。そのまた直後にFKがゆる〜りと流れてポストを直撃。ここがポイントだったのは言うまでも無い。
去年・今年と悪霊に取り付かれたように運に見放され続けただけに、たまには少しだけ幸運に恵まれてもいいはず。
その巡ってきたチャンスを結果に結びつけたことは評価すべきことと思う。


私は運とはどこかに「偶然」訪れるものではなく、強い意思・信念のあるところに転がり込む「必然」なのだ、と常に考えている。


では、仙台に幸運を引き込んだ要因は何だったのか?チームに波を乗せる2得点を挙げた中原貴之の強い決意だったと思う。
中原は去年の秋にフィジコの怠慢のせいで思わぬ怪我に見舞われ、目標としていたワールドユース出場も棒に振ってしまった。
中原がその時に味わった悔しさは想像に難くない。そこから復活する。試合に出て活躍するんだ、という強い気持ちが
他の選手にも伝わり、良い結果を生んだのだと思う。


逆に福岡が2点差を水の泡にしたのは、リードが広がった時点で油断したからだろう。この詰めの甘さは福岡の伝統芸能である。
仙台の場合は負け続けることによって傷つくことが怖くなくなったことも好材料だった。
これ以下はないところまで落ちぶれたのが返って良かったと思う。
玉砕覚悟で向かっていけるのは「弱者の強み」。
J2で毎年リーグ終盤に昇格目前で下位チームに沈められるケースが多いのもそのせいでしょう。
そこに中原のプラス思考も加わった。両者のメンタル面を考えれば仙台の逆転は必然だった。


やっぱり試合の勝敗を決めるのは技術・戦術の質だけではなく、その時点での精神状態・試合に賭ける情熱も高い割合で影響する。
各チームの力量差が小さいJ2では殊更その傾向が強い。


良い事も悪いこともいつまでも続かない。仙台という不安定なチームを見ているとこの事を本当に痛感させられる。


苦しみぬいてようやく作った良い流れをみすみす失って欲しくない。明日は本当に本当に大事な試合になる。絶対に勝て!!!

*1:98.9.21新潟市陸上競技場 前半0−0で後半開始10分で2点先行されるもここから平×2と瀬川の得点で逆転!!ちなみにこの試合の観客は1800人。今の新潟とは似ても似つかない数字