能活の目
いや〜〜〜参った参った
普段全く見向きもしない代表の試合であんなに手に汗握ったのはいつ以来だろう?
多分97年のジョホールバルの試合が最後だったと思う。
何気無くTVつけていたら青い格好した顔と名前の知れた選手達が球蹴りしていたので
暇だし、チョット見てやるか
というノリで観戦することに。
後半途中から見始めて1-1の同点で迎えた終了間際のビッグチャンスを鈴木隆行@ベルギーが見事なヘディングクリアー
ぷっ 雑魚・・・
ジーコ日本すっかりお馴染みの勝負弱い展開に薄笑いを浮かべつつ延長も得点なしでPKに突入。
1人目 中村俊輔
芝に足を取られて大きく宇宙開発
何やってるんだ(#゜Д゜)ゴルァ!!!この毒キノコがぁぁぁ!!!
2人目 三都主アレサン泥
毒キノコのリプレイのようなキック。
ははは、全くショボイねぇ・・・これだから代表は見たくないんだよなぁ
直後、宮本が2人とも芝に足を取られてミスキックしたことを見逃さず陣地の交換を審判に訴えたあたりから流れが変わる。
なかなか冷静な判断じゃん?さすがサッカーしながら同志社を4年で卒業しただけあるねぇ
そしてGKの川口能活が相手を鋭い眼光で睨みつけるのを見て、
何て怖い目をしてるんだ
と僅かながら「何か」が起きそうな気配を感じた。
ヨルダンの4本目を見事セーブ!!冷めた目で眺めていたはずの私は完全にのめり込んでしまった。
理不尽なまでにスタンドから浴びせられるブーイングもあってか、5本目からはすっかり日本のサポーターへ変貌した。
何とか勝って欲しいなぁ、能活を男にしてやりてぇなぁ・・・
その思惑通りに、あとは能活の為の舞台だった。飛んだところにボールが吸い寄せられ、
読みが外れても意思を持ったようにボールが枠から外れていった。
思えば能活はJリーグで押しも押されぬ実績を残して
意気揚々とイングランドに渡ったものの、言葉や人間関係などで不遇な日々を送ってきた。
デンマークに行っても環境は好転しなかった。
その苦しさは本人にしか分からないものだと思う。
それでも彼は逃げなかった。日本に帰ればそれなりに出番も保障されただろうに、楽な方になびかなかった。
結果論かもしれないけど、今日の「神っぷり」は苦しさに耐えてきたことに対するご褒美だったのかもしれない。
不本意な海外生活への反骨心、どん底から這い上がろうとする復権への執念があの目に凝縮されていたように思う。
やっぱり勝敗を司る神はいるんだ。苦労してきた分だけ後に報われるように出来ているんだ。
体全体からまばゆいオーラが発散されるような雰囲気を醸し出す人間の下に運は訪れるのだ。
俊輔・三都主・中沢のPK失敗も能活が輝く為の演出に過ぎなかった。
PKに対峙する能活の目つきは生命力溢れて人を引き付ける力を秘めていて、あまりに鬼気迫る表情に身震いがしたほどだった。
欧州で一度は死んだ男が息を吹き返した。ここから完全復活への道を驀進するのか?
川口能活の鋭い眼光を見て、仙台であんな真剣な表情で試合に取り組み、「人間力」を感じさせる選手が何人いるのか?
と思うといささか不安になるものです。